古代エジプトファイアンス（Ancient Egyptian Faience）は、約6500年前にその製法が見いだされ、護符や小像、ネックレスなどとして一時期盛んに製造されましたが、その後急に作られなくなってしまい、現在ではその製造方法ははっきりとはわからなくなっています。当工房では、製造技術の再現をめざして文献調査や大学の先生のアドバイスも受けながら取り組んでいます。
本サンプル粉末は、ファイアンスの試作に興味を持たれた方がまずは作ってみるために提供するものです。電気炉などの設備をお持ちで、ガラスや陶器などのキルンワークの経験のある方を対象としています。
添付する説明書ではスカラベの製作を例に説明いたします。材料の組成や一連の製作手順を解説しますので、その後はご自身で材料の入手、製作法の検討を進めていただければと思います。古代エジプトファイアンスの再現試作は色々と試みられていますが、未だ不明な点も多く、ご興味を持って進めていただければ嬉しく思います。より良い条件等が見つかりましたらフィードバックして頂けるとありがたいです。
提供サンプル粉末の成分は、いずれも陶芸材料を扱う店などで比較的容易に入手できるものです。 粉末なので、吸引しないようマスク等をして作業を行ってください。提供量は５０ｇで、スカラベ（サイズ等はブローチにして出店していますので参照してください）を3個程度作るのに十分な量になります。
試作するのに必須なものは、以下の通りです。
・電気炉：900℃程度まで昇温できるもの。昇温プログラム設定できるものが便利です。炉内体積は10 x 10 x 5 cm 程度の小型のものでもOKです。
本セット品では、以下の用具と試作サンプル（スカラベ）を同封しています。
・肉厚ガラスコップと彫塑べら： サンプル粉末の混練に用います
・ガラス板、片面テフロンコートシート： 混練した試料を置きます
・樹脂メッシュ、乾燥用スタンド： 試料の乾燥に用います
・スパーテル： スカラベ形状に成形するのに用います
・焼成用トチ： 試料下面にもガラス質層を作りたい場合に用います
・セラシート： 試料を直接焼成板に置いて焼成するときに用います
説明書でわからない点はお問合せ対応いたします。
体験教室も実施しています～資料請求は工房のぐさのページ (nogusa.jp)をご参照ください。
